SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

◇突然のキス

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————次の日。


もう佑影の姿はどこにもなく、あたしは一人、ベッドに横になっている。

しばらくは陰鬱な状態が残ると佑影が言っていた通り、かなり体調は悪かった。

しかも、きのう佑影と喋っていた時が楽に思えるほど、今は悪化の一途を辿っている……

今日になって出た熱が余計に心と体を蝕んでいた。


「……ハア、 ……ハア、」


……苦しい……


こんな状態で学校なんて行けるはずもなく、無断で休んだあたしのもとにはさっきから電話やメールが届いている。


「……ハッ、 ……ハア、」


……もう、


たった1本の針が胸に刺さっただけなのに。

恨みつらみのその怨念の侵入を許してしまったせいで体中がこんなにだるい。

無理やり植えつけられた負の毒物による後遺症はひどく、精神的にもかなり今が辛かった。


「……ハァ、 もう、 いやだ……」


“……う゛う゛う゛〜〜……”
“……オ゛オ゛オ゛〜〜……”


声に反応するように霊たちも唸りを上げている。

あたしの中に残る負のオーラに引き寄せられたのか、いつの間にか部屋が死霊たちで埋まっていた。
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