SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……どうして……」
「メールくれたろ⁉︎ “ た ” って。 もしかしてそれ、助けてって事なんじゃないかって……オレ、慌てて来てみたんだ」
……たすけて……?
……ああ、 そういえば……
あたしはぼんやり思い出す。
さっき、湧人からメールがきて、あたしは生まれて初めて湧人にメールを送っていた。
“たぬき”と送ったつもりが、どうやら一文字しか送られていなかったらしい。
熱でボーッとなりすぎてて全然さっぱり気が付かなかった。
「来て正解……どこか具合悪い? 大丈夫?」
確かめるように手があたしの額に触れてくる。
「……すごい熱……」
すぐに湧人がハッとした。
「待って、すぐに病院に——」
「——い、やだ……」
「……え、でもっ、」
「……いやだいやだ、 何もされたくない……病院だけは……」
後遺症のせいか昔の事が頭をよぎる。
拒絶反応が前に出た……
「……っ、」
仕方なく湧人はあたしを部屋の中へと運び入れる。
「分かった。 オレが看病するから美空はゆっくり休んでて……」
そう言うと、そっとベッドにあたしを寝かせ、その辺にあったタオルを水で濡らし、素早くあたしの額に置いた。