SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

この高校へ通い始めて三日目。
あたしは、まだいろんな事が分からないでいた。


五年前に通っていた所とはだいぶ雰囲気の違う学校。 校舎が大きく、中の設備がだいぶ充実しすぎている。


所々に絨毯が敷かれた校内、何メートルか先ごとにジュースや文房具、生活用品が入った自動販売機やおしゃれなベンチが置いてあり、休憩室も何ヶ所かある。


教室は所々に何かの機械が設置され、黒板は時々テレビのように切り替わる。


タブレット?が当たり前のように机にくっつき、壁には先生の声がよく聞こえるようにスピーカーなどが埋め込まれていた。


ビュッフェ? とかいう食べる所もあるし、階段の他にエレベーターまでついている。


……あれだな。


ここはちょっと、金持ちのやつが行く学校だ。


——カタ、


あたしは窓際の一番後ろ、自分の席に着席する。


「やっぱり分からない。 なんで一樹、この学校……」


また、同じ疑問を口にした。
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