SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を


「……美空? どうかした?」


「……あっ!」


ようやくあたしは気が付いた。

確かめる為、ピトっと湧人の額に手をあてる。


「……み、く? ……なに、これ?」


分からないという風に湧人は顔を引きつらせた。


「やっぱりだ。 治ったのは湧人のおかげ」


「……え?」


「あたし、ただの熱じゃなかったんだ。熱なんだけど、もっともっと悪いやつで……」


「……どういう、事?」


それからあたしは湧人に昨日の事を話した。

Blue dollの亡霊に襲われた事、残骸の髪の毛の針に胸を刺された事、佑影が助けてくれた事……

湧人は張り詰めたような表情で真剣に話を聞いている……


「原因が怨霊で悪霊だったからなんだ。 毒が回ってるような状態で……」


「…………」


「でも、湧人なら霊とか悪い念もはじくから、それでたぶんすぐに良くなったんだ」


「…………」


……?

あたしはあれ? と首を傾げる。

目の前にいる湧人がとても複雑そうな顔をしている……

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