SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「目が覚めてからどうしてたの? 1人で耐えてた? それとも、ユリさんが側にいてくれたの?」


「……あ〜、それは、佑影が側にいてくれたんだ」


ピクッと湧人の体が反応する。


「……佑影、が……?」


「うん、そうだよ?」


「……満月の時は佑影といたって事……? それで美空は落ち着いてたの?」


「うん。 あたし、ずいぶん助けられた」


「…………」


「グリムから聞いたんだけど、佑影、すごくあたしの事が好きなんだって。 あたしが特別で、眠ってる間もしょっちゅう気にしてくれてたって。 あたしの前じゃそんな態度、見せないのに」


「…………」


「でも、そんな佑影だからあたしも特別で、安心して満月一緒に過ごせたし。 みんなも佑影なら大丈夫って、だから——」

——ギュウッ

……⁉︎

抱きしめる湧人の力が強くなった。


「……ゆう……?」


「……オレじゃ、 だめ……?」


耳元で湧人の弱い声がする……
< 150 / 295 >

この作品をシェア

pagetop