SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「うん。 佑影強いし、あいつ遠慮しないから」
「……っ、」
「だから、あたしも遠慮なしで殴れるんだ。 佑影だから出来るんだ」
「……っ、」
「……で、 湧人はあたしを殴りたいの? いいよ? あたしは殴れないけど、殴るだけなら殴っても」
「……っ、 殴る訳ないだろっ! なんでオレが美空にっ……そんな事っ!」
唖然とした湧人の声が上ずっている。
「……ハア〜、」
自分を落ち着かせるように湧人は大きく息を吐いた。
「……なんだ。 オレはてっきり美空が佑影を……だから……」
「……?」
「……いや、それにしても殴り合うなんて……」
「トレーニングだ」
「いくらトレーニングだとしても男が女を殴るなんて……しかも好きな相手にそんな……」
「……?」
「オレにはとてもそんな事……想像もしたくない……」
不機嫌になった湧人の顔……