SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を


「……美空、」


少し怒ったような尖った声で湧人はあたしに切り出した。


「オレは美空にとって、あの時と同じガキのままなの? 美空にはまだ幼い子供に見えてるの?」


……?  ……ガキ?


「ガキは今の湧人の中だ。 幼いのがちゃんと湧人の中に」


「…………」


「ずっと幼い湧人が見えてたんだ。 でも大丈夫。 今はちゃんと湧人が一人に——」


————っ⁉︎


それ以上は喋れなかった。


湧人の唇があたしの唇をふさいでいる……


抱えるように両手であたしの頭を固定しながら、湧人は唇を合わせてる……


重ねられた唇から湧人の体温が伝わってきた……



「……っ、」


数秒ほどで離れる唇……

至近距離、離れたばかりの唇に湧人の弱い息がかかる……


「……美空、」


まっすぐあたしを見つめながら湧人がそっと口を開いた。


「オレはもうガキじゃない。 オレの事、ちゃんと一人の男として見て欲しい」


「……⁉︎」


あたしは変にうるさくなった心臓を押さえながら、湧人が言った言葉の意味を考える。
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