SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……湧人。 あたし、実は話がよく分かってなくて、だから……なんで湧人がそんなに怒ってるのか分からないんだけど……」
「……別に怒ってなんか……」
「でも、さっきの話……佑影の事で何か引っかかってるんだよね? あたしが佑影を特別だって言ったから? それなら湧人も特別だよ? 二人ともあたしは大事に思ってる」
「…………」
「それともあれ? 佑影の方が大人だって言ったから? だってあれは本当に……佑影は、 佑影は本当は……21才だったから!」
「……⁉︎」
湧人の表情が変化した。
「年をごまかして、あたしに合わせて高校1年やってるんだ。 だから湧人より大人だって言ったんだ」
「……は?」
「……あ、 それと佑影の本当の事も言ってないから怒ってる? だったら言うけど……」
「……な、に……?」
「佑影、グリムと結婚してるんだ」
「……っ⁉︎」
「グリムは佑影よりも年上で、二人一緒に暮らしてるんだ」
「……っ⁉︎」
湧人が驚きと困惑の表情を固めている。