SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を


「……湧人。 あたし、実は話がよく分かってなくて、だから……なんで湧人がそんなに怒ってるのか分からないんだけど……」


「……別に怒ってなんか……」


「でも、さっきの話……佑影の事で何か引っかかってるんだよね? あたしが佑影を特別だって言ったから? それなら湧人も特別だよ? 二人ともあたしは大事に思ってる」


「…………」


「それともあれ? 佑影の方が大人だって言ったから? だってあれは本当に……佑影は、 佑影は本当は……21才だったから!」


「……⁉︎」


湧人の表情が変化した。


「年をごまかして、あたしに合わせて高校1年やってるんだ。 だから湧人より大人だって言ったんだ」


「……は?」


「……あ、 それと佑影の本当の事も言ってないから怒ってる? だったら言うけど……」


「……な、に……?」


「佑影、グリムと結婚してるんだ」


「……っ⁉︎」


「グリムは佑影よりも年上で、二人一緒に暮らしてるんだ」


「……っ⁉︎」


湧人が驚きと困惑の表情を固めている。
< 157 / 295 >

この作品をシェア

pagetop