SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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————“鬼頭会”


それは裏社会で暗躍する国内トップのヤクザ組織。


「……えっ⁉︎」


鬼頭会本部。

頭である鬼頭玉三郎こと玉ちゃんから、あたしは奇妙な話を聞かされていた。

なんでも最近、謎の黒パーカーが神出鬼没に現れて、チンピラ共を相手に派手に暴れまわっているというのだ。



「黒パーカーと聞いてな、 まさかお前ではないかと思うたのだが……」


「知らない。 あたし、何もしてないよ。 それに……」


「分かっている」


凌駕が後ろのドアから入ってきて、窓際のイスに腰掛けた。


「念の為に確認したいと思っただけだ。あれは到底お前のやり方とは思えない」


「さよう……あまり目立たぬようにしろとD.S.Pに言われている手前、派手に暴れ回るのはお前のスタイルではなかろう。 闘い方にしてもお前とは明らかな違いがある」


「……違い?」


「わざと相手を挑発し、自らも相手同等の深手を負う……そんな自殺行為にも等しい真似を……」


「……?」


「まあいい。 この話はここまでだ。 悪かったな、こんな時間に呼びつけて……」


「ううん、別に。 久しぶりに玉ちゃんたちと話したかったし」


「おお、なんと嬉しい事を……」


急に玉ちゃんの目尻が下がる。


「ワシも美空と話したかったぞ? 今日はゆっくり……どうせなら家に泊まっていくか?」


「……まったく、親父は相変わらずだな」


凌駕がフウ、とため息をついた。
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