SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

——“鬼頭凌駕”


玉ちゃんの一人息子であり鬼頭会の若頭。

五年前は肩まであった金色のウェーブの髪の毛が、今では黒く短くなって、オールバックにした髪型が今の凌駕に似合っている。


なんか洋風から一気に和風になった感じ……


28才になった凌駕の印象はまさに大人の男って感じで、何にも動じない、玉ちゃんに負けないぐらいの貫禄がある。


「……なんだ?」


じっと見てたら目が合った。


「うん。 あのさぁ、 凌駕って、 キスした事ある?」


「……なっ、」
「……ブホッ!」


……前言撤回。

あたしの言葉に何故か二人が動じている。


「急になんだ!」
「んん? ああん?」


二人は眉を潜めてあたしを見た。


「ちょっと気になったから聞いただけ。 ねえ、したこと、ある?」


「……っ、 あるに決まっているだろう!」


「そうなの⁉︎ いつ? どこで? 何回ぐらいしたの?」


「いちいち覚えてられるか! 俺には常に遊ぶ女の一人や二人……」


「これっ……凌駕っ!」


玉ちゃんが凌駕を制止した。
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