SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……まあ、 なんだ……美空もそんなモンに興味を持つ年頃か……」
しどろもどろに言う玉ちゃん。
「まったく、 変に色気付きやがって」
凌駕は少し不機嫌になっている。
……?
あたし、 何か変なこと、 言ったのかな?
「あ〜、 えっと、 だから……」
首をひねりながら、あたしは言葉を探して言う。
「そうだ、 黒パーカーの事なんだけど!」
「……あん?」
「美空、 その話はもう……」
「ううん、 その話であたし、 言わなきゃって思いだした」
「……?」
「何をだ?」
今度は首を傾げる二人に、あたしはちゃんと向き合った。
「一般社会の事件の事。 ごめん。 今あたし、凶悪事件は全部鬼頭会に任せっきり。 陰のパートナーなのに悪いなって……」
「そんなもん、ちっとも悪いものか」
「むしろこちらとしては安心している。 お前には皆、平穏無事に暮らして欲しいと思っているからな」
「玉ちゃん、 凌駕……」
「それに、まったくしるしが反応していない訳ではないのだろう?」
「うん、たまに呼ばれてる。 本当に軽い事件だけ。 でも、なんていうか、前とは反応の仕方が違うような気がしてて……」
「……あん?」
「どういう事だ?」
「わからない。 でも、あれ?」
右手が熱くなってくる。
「なんだ?」
「どうした?」
「……うん。 あのさ、怖い話してるとよく霊が寄ってくるんだけど、今たぶんそんな感じ。 話に引き寄せられて……ほら、黒パーカーに反応してる」
あたしは浮かんだしるしを二人に見せた。
「おおっ」
「黒パーカーに反応が?」
「玉ちゃん、凌駕。 いつも悪いから今日はあたし行ってくる! 黒パーカーの正体、ちゃんとつき止めてくるから!」
そう言ってあたしは部屋を出る。
意識を集中させながら黒パーカーの所へ向かった。