SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「佑影もけっこうイケメンだって女の子たち騒いでたけど……でも、美空が彼女って言ったらみんなガッカリしてたな〜」
「ガッカリ?」
「だって美空もウワサの転校生だもん。はたから見たら二人、すっごいお似合いのカップルだよ〜!」
「よく、わからない」
「でも、なんか物足りないんだよね〜」
グリムは不満そうな顔をする。
「……物足りないって、なにが?」
「佑影の事! 今のままじゃ全然付き合ってる風に見えないし。それに……私、見てみたいんだぁ〜」
「……なにを?」
「佑影が妬くところ!」
「やく? なにを?」
「いいからいいから♪」
企んだようにグリムはあたしに微笑んだ。
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————そして昼休み。
“ドン!”
「オレと付き合え」
あたしはイケメン王子と呼ばれる男の一人、生徒会長の黒崎蓮に何故か脅迫されていた。
生徒会室に二人きり。
壁に手をつき、男はあたしを見下ろしている。