SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……誰?」
警戒心むき出しに女はあたしに聞いてきた。
「あ〜、 誰って、あたしは天使美空。 あたしは初代黒パーカーだ」
「……⁉︎」
「お姉さんはどうして黒パーカーやってるの? そんなに自分、傷付けてまで」
「……っ、 ちょっと待って……あなたが黒パーカー⁉︎ まさか、そんなはず……」
……うん。
リアクションを見る限り、お姉さんは黒パーカーを知ってて格好を真似している。
「黒パーカーは喧嘩慣れした相当腕の立つ人物。 あなたがそんな訳……」
「人は見かけによらないんだ。 だめだ、見た目で判断しちゃ」
「……っ、 だったら私と勝負しなさい!」
サッと女が身構えた。
「……え、」
「本当にあなたが黒パーカーかどうか私が身を持って確かめる!」
繰り出されたのは強烈な蹴り……
あたしは、
——ドガッ!
黙って女に蹴られてやった。