SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……っ、 ちょっ……大丈夫⁉︎」
女が慌てて寄ってくる。
「やっぱりあなた黒パーカーじゃないじゃない! どうしてそんなウソを!」
「ウソじゃない。 お姉さんが傷付いてるのに、これ以上傷を付けたくなかっただけだ」
「……なにそれ……」
「もう一度言う、ウソじゃない。 あたしが本物の黒パーカーだ」
「……本当なの? じゃあ、あなたが凌駕の……」
「……凌駕?」
すると、
——ガラガラアアッ……!!
突如上から鉄の仕切りが下りてきた。
分厚い板が4枚、あたしとお姉さんを取り囲む。
「……!」
「なにこれ!」
一ヶ所だけ小さな排気口が開けられた空間。
向こう側からさっきの男たちの笑い声が聞こえてくる……
「まだ稼働したな、昔使ってた隔離室」
「ザマあ!」
「そのまま死ねや!」
ほどなくして男の気配はなくなった。
「……くっ、 閉じ込められた!」
ドン! とお姉さんが壁を叩く……
「…………」
こんな壁、あたしにはどうって事ないんだけど……
でも、 まあ、
「ねえ、 さっきの、 話の続き聞かせて?」
あたしは、まずはゆっくり話を聞くことにした。