SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……っ、 あなたっ、 よくのんきにそんな事っ……」
「ジタバタしたってしょうがない。 だからいったん気持ちを落ち着かせるんだ」
「……っ、」
「ほら、 座って話そう?」
あたしはゆったり壁にもたれて座る。
「……はぁ、」
やれやれと、お姉さんもあたしの隣に腰を下ろした。
「……ほんと、見かけによらないね。 この状況で私よりあなたの方が冷静だなんて……」
ぼんやり宙を見ながらお姉さんがあたしに言う。
「それで? どうして黒パーカーやってるの?」
「…………」
「お姉さんは凌駕の知り合いなの?」
「……っ……」
あたしの質問に、お姉さんの顔がみるみる悲しみに満ちていった。
「……付き合ってた……」
「……え?」
「私……昔、 凌駕と付き合ってた……」
……?
付き合ってた?