SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「本気だった……お互いまだ高校生だったけど、私たちは真剣に愛し合っていて……」
……愛し合う?
「……っ、 ごめんなさい、 あなたの前でこんな……」
「別に。 いいから話を続けて?」
「……え、 ……ああ、 うん……それじゃあ……。 えっと……しばらくは楽しく付き合っていたんだけど……
でもある時、私が知らない男たちに襲われて……
凌駕が助けに来てくれたから未遂だったけど、でも、それからも度々危険な目に遭う事が多くなって……」
「うん」
「凌駕は俺のせいだって自分を責めた。 自分が鬼頭会の若頭だから、だから私が狙われるんだって……。
……結局、 凌駕は私に別れを告げた……それが私の為だって。
嫌だって言ったけど、凌駕の決意は固かった」
「……そう、 だったんだ……」
「でも、私はどうしても凌駕を諦めきれなかった。だから性懲りもなく会いに行ったり電話したり……
だけど凌駕は冷たく私を突き離した。 辛くて悲しくて、だけどどうにも出来なくて……
カタギである自分を、弱い自分を責めて過ごして……」
「……うん」
「そうして、泣き疲れた頃にふと思ったの……何かを変えれば、自分が変われば未来が変わるんじゃないかって。また凌駕と一緒にいられるんじゃないかって……。
私はすぐにタイヘ渡った。 そこでムエタイの武者修行をして……
やっと誰にも負けないぐらいの格闘スキルを身につけたの……」
「……へえ、」