SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「でも、結局全てが遅すぎた。 日本に帰ってから、私は必死に鬼頭会の事、凌駕の事を調べ回って……
それで知ったの、黒パーカーの事。 黒パーカーは……凌駕の婚約者だって事……」
「……うん?」
「まさかあなたが黒パーカーだったなんて……想像してたよりだいぶ若くてびっくり。 それになんかショック……凌駕がロリコンだったなんて……」
……あれ?
なんか、とてつもない違和感に襲われてる。
「……あっ、 別にあなたを悪く言うつもりは……あれから10年経ってるんだもん、凌駕が愛する人を見つけて結婚するのは当然の事……
ただ、やっぱりちょっと悔しくて、やるせなくてどうしようもなくて……半ばヤケになって、当て付けのように自分が黒パーカーになったって訳……
バカでしょ? 今は自分の体を傷付ける事でしかこの胸の痛みを癒せないなんて……」
……えっと、 鬼頭会は……
……あたしは、 凌駕の……
「——全然ちがうっ!」
大きな声であたしは叫んだ。