SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「でも、結局全てが遅すぎた。 日本に帰ってから、私は必死に鬼頭会の事、凌駕の事を調べ回って……

それで知ったの、黒パーカーの事。 黒パーカーは……凌駕の婚約者だって事……」


「……うん?」


「まさかあなたが黒パーカーだったなんて……想像してたよりだいぶ若くてびっくり。 それになんかショック……凌駕がロリコンだったなんて……」


……あれ?

なんか、とてつもない違和感に襲われてる。



「……あっ、 別にあなたを悪く言うつもりは……あれから10年経ってるんだもん、凌駕が愛する人を見つけて結婚するのは当然の事……

ただ、やっぱりちょっと悔しくて、やるせなくてどうしようもなくて……半ばヤケになって、当て付けのように自分が黒パーカーになったって訳……

バカでしょ? 今は自分の体を傷付ける事でしかこの胸の痛みを癒せないなんて……」


……えっと、 鬼頭会は……


……あたしは、 凌駕の……


「——全然ちがうっ!」


大きな声であたしは叫んだ。
< 177 / 295 >

この作品をシェア

pagetop