SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「じゃあ、 早く一緒に行こう!」
あたしはスッと立ち上がる……
「……え? 行くってどこに……」
「どこって、もちろん凌駕のとこ! お姉さん凌駕にずっと会いたかったんでしょ⁉︎」
「……っ⁉︎」
……よし。
あたしは壁に向かって身構える。
そして、
“ ゴヴガアアア——ンッ!!”
分厚い鉄の板を4枚同時にぶち抜いた。
「————っ!」
お姉さんが両目を見開いて固まってる。
「……? お姉さん?」
そこへあたしのスマホに着信がきてあたしはすぐに電話に出た。
「……もしもし? あっ、玉ちゃん? ちょうど良かった……そこに凌駕いる? ちょっと替わって欲しいんだけど。
……もしもし凌駕? 今、黒パーカーと一緒にいるんだけど、それが凌駕の昔の女だった。今からそっちに連れて行くからちょっと——」
————ズダダダ……!
突如風が走り抜けた。
……えっ……⁉︎
見ればお姉さんが全力でここから逃げてゆく……
「……あっ、凌駕ごめん! またあとで!」
電話を切り、あたしはお姉さんの後を追う。