SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
それから結愛とはよく会うようになった。
居場所がないと言う彼女は弱々しく、何かに怯えているようで……
その理由をなかなか話してはくれなかったが、何度か会ううちにやっと俺に打ち明けてくれた。
「……父親が暴力を?」
コクンと結愛が俺に頷く。
そして恥ずかしそうに服の裾をめくり上げると……
「……!」
そこには見るに耐えない酷いアザが広がっていた。
————————————
————————————
——バキッ!
その後の俺の行動は決まっていた。
結愛を二度と傷付けさせない、その為の行動だ。
だがこの件は結愛には内密で片付けた。
あくまで肉親なのだ、下手に言えば結愛をかえって傷付ける事にもなりかねない……
案外コトはうまくいった。
二度と娘には近付かないと約束し、父親は家を出ていった。