SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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結愛はみるみる表情が明るくなった。

屈託のない笑顔で俺を見上げるその仕草……

一緒にいると何故だかとても気分が和らぐ……


「ねえ、どうして凌駕はいつも私に優しいの?」


ある時、結愛が俺に聞いてきた。


「そんなもの……お前が好きだからに決まっているだろう」


俺は結愛を抱き寄せキスをする。

誰もいない路地裏で、俺たちは夢中でキスを繰り返した……


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結愛といる時間は幸せだった。

それまで閉塞感を感じていた俺に結愛は安らぎを与えてくれた。

結愛の前では俺は只の男になる。

若頭という責任と重圧を取っ払った、自由で気ままな只の男だ。


俺はそれが新鮮だった……

結愛といるのが当たり前の毎日……

時間の許す限り俺たちは愛を語らい愛し合った。


だが……

いつしかそんな平穏な毎日はグラグラと音を立てて壊れ始めた。
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