SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「お前っ……これがどういう事だか分かっているのか!」


「どういう事って?」


「男と一緒のベッドで寝る事がだ! どういう意味か……お前分かってやっているのか!」


「分からない。 なにかダメなの?」


「……っ、 ダメに決まっているだろう! 言っておくが俺はそんなつもりはないぞ! お前をそんなっ……女として見た事はっ……!」


「……うん?」


「いいか! 俺たちは同志だ! 親父同様、俺もお前は家族だと……妹のように……思っているんだからな!」


「……?」


首を傾げ、美空はやっと俺のベッドから出る。


「よく分からないけど、 ダメだったならごめん」


そう言うと、今度は部屋のソファーに腰を下ろした。


「……はぁ。 全く……」


俺は頭を抱えてうなだれる。

呆れてはいるが不思議と美空には腹は立たない。

部下には絶対見せない寝起き姿も、少し寝癖のついた髪も、自然体でふるまう美空の前では気にせず俺もさらけ出せた。
< 187 / 295 >

この作品をシェア

pagetop