SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「すごい! 1位! なんで⁉︎」
「……なんでって、本来はこれが当たり前かな? 上位に入れば生徒会やらされるかもって思ってたから、今まで手を抜いてただけで……」
「やった! 1位だよ1位! 湧人が1位!」
「……どうしたの、 美空?」
「だって1位! もし生徒会長が1位だったら、あたし、あいつの彼女になってたんだ」
「……はっ⁉︎ それどういう——」
「そんなバカなあぁぁぁ〜っ!!」
眉を潜める湧人の脇を生徒会長が絶叫しながら走り去る……
「ウソだぁ〜! 何かの間違いだぁぁ〜!」
——ドドドドド……!
呆気に取られる生徒たち。
「美空! オレ頑張る! これからずっと1位取るから!」
何か察したのか、湧人があたしに断言した。
「本当⁉︎」
「うん本当。 次も必ず満点取る」
「やった! 湧人が1位なら安心だ!」
そんなあたしと湧人のそばを佑影が無言で歩いて行く……
「……あっ! 佑影! 佑影も頑張ったんだね! ありがとう!」
そう言うと、
「……フン。 やってらんねぇ」
不機嫌な声が返ってくる。
それでも“よかったな!” と言ってるように佑影は軽く手を上げた。