SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……なに?」
「「「……あっ、 あのっ、」」」
湧人の冷静な態度とは逆に、女の子たちは三人とも顔を真っ赤にオロオロしている。
「……ほらっ、 言いなっ!」
真ん中の子がポンと押されて少しだけ湧人の前に出た。
「……あっ、あ、あのっ……私っ、」
「…………」
「……あのっ、 ……えっと……」
「…………」
どうしたのか、モジモジするばかりで、女の子はそのままうつむいてしまう。
「「……っ、 もうっ!」」
見兼ねた後ろの二人組が代わりに話を切り出した。
「橘先輩! このコ、橘先輩が好きなんです!」
「だから……どうか付き合ってもらえませんか⁉︎」
「…………」
「友達からでいいんです!」
「連絡先、交換してもらえませんか⁉︎」
「…………」
「お願いします!」
「このコ、本当に橘先輩の事が好きなんです! だからっ……!」
「ごめん」
祈るような顔の三人の前、湧人はそう口にした。