SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
————————————
——————————————
————————————


「「ちょっとアンタ!」」
「「どういうつもり!」」


昼休みは呼び出されて、あたしは女たちに怒鳴られていた。


「……また? 一体どうしたの?」


湧人と一緒に暮らし始めてから、こうやって女たちに呼び出される事が多くなった。


「どうしたのじゃねぇよ!」
「天然ぶっこいてんじゃねぇぞ!」


怖い顔の女たちがますます苛立ちを募らせる。


「この横取り女!」
「のぞみの気持ちも知らないで!」


「……のぞみ?」


「のぞみはあたしのかわいい後輩なんだ!」
「アンタのせいでファンクラブ解散させられて!」

「あのコすんごい傷付いてんの!」
「幼馴染だかなんだか知らねえけど? 堂々とイチャつくのやめてくんない!」


「……イチャ、 つくって?」


「ベタベタすんなって言ってんの!」
「最近毎日一緒に来てんじゃんっ!」
「見せつけてんの⁉︎ 性格わっる!」


「だって、」


“だって湧人とは一緒に住んでるから”

ぎりぎりの所で言葉をのみこむ。

あたしはグリムに、湧人と一緒に住んでる事は内緒にするように言われていた。
< 206 / 295 >

この作品をシェア

pagetop