SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「……っ、 ……あ、 おいっ……」
「今の事っ……私達の事は……」
「橘王子には絶対内緒にっ……!」


何故か女たちが焦りだす。


「…………」


……あたしは、


——ズダダダッ……!


全速力で湧人の所へ走って行った。


「——湧人っ!」

「……? 美空?」


真相を確かめようとあたしは意気込む。

本当に湧人は瞳を覗き込まれるのがイヤなのか、間近でちゃんと確かめる為にジャンプして銀の瞳を覗き込んだ——

つもりが、


——ゴン!


勢い余って湧人に頭突きをくらわせてしまう。


「……っ……」


額を押さえ、湧人は少し悶絶した。


「「「……きゃああっ!!」」
「……えっ、 ……おい、 橘っ⁉︎」


……あっ、


「ごめんっ! 湧人っ……あたしっ、」
「——大丈夫っ⁉︎」


すぐに顔をあげた湧人があたしの方を気にしてる。


「どこもケガない⁉︎ 大丈夫⁉︎」


「……あ、 うん、 大丈夫……」


「……良かった……」


安心したように湧人はハア〜と息を吐いた。


「……ごめん、 あたし、 本当に……」


「ううん。 でも、どうしたの?」


「……あ〜、 ……うん?」


そういえば何だっけ? とあたしは思い出す。


「……あっ、そうだ! あいつらが湧人の体さわりたいって! ベタベタさわって覗きたいって!」


あたしはビシッとさっきの女たちを指差した。
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