SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「……え?」


「あれは美空だけって……そんなのがオレの中にはあってさ」


「……あたし、 だけ?」


「ほんと、 いつもドキドキさせられた。 初めて会った時から美空はいつも距離が近くて……」


「……うん?」


「オレ、 あの時まだガキだったからさ、 免疫なんてないし……だからどうしていいか分からなくて……」


「……?」


「美空に見つめられると……変に息が止まってた」


「……息が、 止まる?」


「今もそれは変わらない。 けど、あの頃よりはオレ、ちょっと進歩してるかな」


「……え?」


「美空が好き。 この気持ちを今はちゃんと美空に言えるから」


まっすぐに見つめたまま、最後はほんの少しだけ湧人は微笑む。


「……あ、」


そんな湧人に、あたしは少し戸惑った。


……まただ、 なんか胸がドキドキする……


さっきガキだったから免疫ないとか、 どうしていいか分からないとか、 変に息が止まるとか湧人はあたしに言ったけど……

今はあたしがそういう気持ちだ。

むしろ逆の立場に思えてしまう。

こんなにあたしが戸惑っているのに、湧人はドンと構えていて、余裕があるように見えている。


「いいなぁ、 湧人は」


おもわず口からこぼれてしまう。
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