SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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——それから……


“ ザッパーンッ!”


五時間目の休み時間、あたしはプールに落とされていた。


「ギャハハハッ!」
「ごめんねぇ? わざとじゃないよ?」
「むしろ気を利かせてあげただけ〜」

「だってこんなに暑いんだもん。天使さんが熱中症になったら大変でしょお?」


そう言って走り去っていく女たち。


「…………」


……ふうん、 そうか……


暑いからプールに落としてくれるなんて、ずいぶん親切なやつらだな。

そう思い、あたしはプールから這い上がる。


——タッ……


知った人物があたしの前に現れた。


「……あなたが悪いんだからね……」


そう言うのは、以前何度か顔を合わせている“のぞみ”という女だった。

その目は落ち着きがなくウロウロと地面と宙を彷徨っている。
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