SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「よし! 捕まえた!」


その日のバイトはいつも以上に順調だった。

途中、追加の仕事も入ったけど、あたしは難なくこなせてる。


……なんだこれ……


変にはりきっている自分がいる。

湧人とのあの約束が胸をワクワクさせていた。


「終わった! あたし帰る!」


社長に言って事務所を出る。


「お疲れさん! また頼むよ!」


満足そうに社長はあたしに手を振った。


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「…………」


学校に着いたのは二時間目の途中だった。

靴箱の所であたしはボーッと突っ立っている。


……なんで……


あたしの靴箱に土が大量に詰め込まれている。

その土の中からウネウネとミミズが顔を出していた。


……う〜ん……


暑いから誰かがミミズをここへ移動させたのかな?

悩んだ末に、あたしはミミズを涼しい日陰の花壇へ移動する。


「上履き、洗わなきゃ……」


泥だらけになった上履きを持って、近くのトイレに駆け込んだ。
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