SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

“ キーンコーン……”


上履きを洗っていると二時間目終了のチャイムが鳴った。


「どうしたの天使さ〜ん?」
「ひどい事するやつがいるね〜?」


女たちがにやにやトイレに入ってくる……


「あれ〜? 上から絵の具が降ってきたよ〜?」

「大変天使さん! 髪の毛が緑色になってる〜!」


「……え?」


言われてあたしは鏡を見る。
髪の毛にはベットリと緑の絵の具がついていた。


「「……くっ、 くくっ……」」
「「……あははははっ……!!」」


何故か笑いだす女たち。


……?

なんで絵の具が降ってくるんだろう? 

分からなくてあたしは首を傾ける。 すると、


——バッシャーンッ!


女たちがバケツで水をかけてきた。


「ほ〜ら汚れを落とさないと〜!」

「感謝してよね! 洗うの手伝ってあげてるんだから!」


やけに楽しそうに女たちはホースも使って何度も水をかけてくる。


「……ありがとう……」


ビショビショになりながら、あたしは一言そう言った。
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