SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……ちょっ……ひかれたってっ……!」
「たいした事ない。 骨はちゃんとくっついてるし、切断してる訳じゃない」
「……っ、」
「それより、あたしどうしても——」
「たいした事あるだろっ! こんなに血が! 顔だってひどいアザでっ……」
「……?」
「とにかくっ……早く手当てしないとっ……」
「湧人、 落ちついて」
「……っ、」
……えっと、 だから……
飛んでしまった話の内容を再びあたしは思い出す。
「……あたし分からなくて。 だからこうやって聞きにきたんだ」
前にいるのぞみをまっすぐ見て言った。
「のぞみに聞きたい。 のぞみはどうしてネンザしてないのにネンザしてるって言うの?」
「……えっ⁉︎」
「足、 本当は何でもない。 湧人にぶつかったのだってワザとで……」
「……なっ、 なに言ってるの! そんな訳ないでしょ!」
「そんな訳なくもなくて違ってる! だってあたしには分かるんだ! さっき学校で視えたから!」
「……は⁉︎ なに言ってるの⁉︎」
「ネンザは違う! ちゃんと普通に歩けるはず!」
「……っ、 私がウソついてるっていうの!」
「だって本当にウソじゃないか!」
「ひどい! よくもそんな!」