SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「あのさぁ、どうでもいいけど元気だせば?」


「どう元気になれというんだ。 俺には夢も希望もない。気力や生きる意味さえも……」


「そこまで落ち込むほど、テストの結果は、たいした事じゃないと思うんだ」


「だから俺にはたいした事なんだ。お前には到底分からないがな」


「分からないけど分かるよ。少なくても周りがどう思っているかぐらい、あたしには……」


「……は?」


「だって、直接は誰も何も言ってないんでしょ? 自分が勝手にそう思い込んでいるだけで」


「思い込みなどでは——」
「興味ない」


「……あ?」


「さっき、みんなが俺をダメと思ってるって言ったけど、あたしは別に思ってないし。 ……というか興味ないしどうでもいい。 だから全員がそう思ってるっていうのは間違いだ」


「……⁉︎」


「自分が思うほどみんなアンタを見てないし、そもそもみんなは自分の事だけで精一杯なんだ。 たった一人の事なんて、そんなに気にしていられない」


「……っ、そんな事はっ……!」
< 243 / 295 >

この作品をシェア

pagetop