SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「あのさぁ、どうでもいいけど元気だせば?」
「どう元気になれというんだ。 俺には夢も希望もない。気力や生きる意味さえも……」
「そこまで落ち込むほど、テストの結果は、たいした事じゃないと思うんだ」
「だから俺にはたいした事なんだ。お前には到底分からないがな」
「分からないけど分かるよ。少なくても周りがどう思っているかぐらい、あたしには……」
「……は?」
「だって、直接は誰も何も言ってないんでしょ? 自分が勝手にそう思い込んでいるだけで」
「思い込みなどでは——」
「興味ない」
「……あ?」
「さっき、みんなが俺をダメと思ってるって言ったけど、あたしは別に思ってないし。 ……というか興味ないしどうでもいい。 だから全員がそう思ってるっていうのは間違いだ」
「……⁉︎」
「自分が思うほどみんなアンタを見てないし、そもそもみんなは自分の事だけで精一杯なんだ。 たった一人の事なんて、そんなに気にしていられない」
「……っ、そんな事はっ……!」