SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「じゃあ、アンタは気にしてる? あそこにいる先生の事……見て、今日はやけに唇が赤いよ? あっちにいる男子生徒は? うれしそうだけど何かあったのかな? あの女の子、顔色悪いけどどうしたのかな?」
「知るかそんな事っ!」
「だから、そんな事なんだ」
「……は?」
「みんなも同じで、黒崎蓮の事はそんな事。 そんなに気にしていられない」
「…………」
口を半開きに言葉をなくす生徒会長。
その顔は呆気に取られたような、疑うような表情だ。
「ねえ、だからもうダメ人間なんかやめたら? 本当はダメじゃないんだから」
「……ダメ、 じゃない?」
「うん。 黒崎蓮はダメじゃない。 だから早くお風呂に入るんだ」
「……風呂……」
……うん。
生徒会長の顔に気力が戻り始めてる。
「良かった。 助けてって、お願いされたからどうしようかと思ったけど……」
「……?」
「心配してるコもいるんだよ。 良かったね、そのコは黒崎蓮の事が好きなんだ」
「…………」
「だからそのコの為にも早く元気にならなくちゃ」
少し眉根を寄せた生徒会長がまっすぐあたしを見つめてる。
……と、
その視線が次第にズレて……
何かを捉えたようにあたしの後ろで固定された。