SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「ナア〜! ミクう〜っ!!」


黒木が無理やり視線を合わせてきた。


……あ、


黒木の言い分を思い出し、あたしは少し考える。


「あたし、やっぱりココがいい」


変わらない自分の思いを口にした。


「……な、んで……」


「働く、稼ぐ、自立するのやつだ。あの時、サヤに教わった事」


「ソレはっ……! 違うっ! 言ったダロ⁉︎ アレはっ……! あん時サヤが言ったコトはっ、」


「全部が違う訳じゃない」


「……へ?」


「確かに、あの時サヤはあたしが嫌いで、本当じゃない違う言葉を言ったけど、でも中には本当の言葉もいっぱいあった。

あたしは、自分もそうだなって思ったのはやってみたいって思ったんだ」


「……ミクっ、」


「あたしやってみたい。どこまで出来るか、自分の力で」


「……ケドっ、オマエはまだ15才でっ……」


「本当はもう、ずいぶんいっぱい大人なんだ」


「……っ、かも……しんねえケドっ、」


「……だめ? 今の所はうまくやってる。学校も、トレーニングも、アルバイトだって……」


「……っ、」


「ねえ! お願い黒木!」


納得がいかないような黒木は複雑そうな顔をする。

そこへ一樹がなだめるように黒木の肩に手を置いて……



「……ワカった……」


やっと黒木が頷いた。
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