SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「「あははははっ!」」
「「ザマァ! いい気味っ!!」」

「めっちゃ王子に嫌われてんじゃん!」

「良かったぁ〜! やっと王子もコイツの性格の悪さに気付いたんだ⁉︎」


「…………」


「……にしても、嫌われてんのに普通こんなに会いに来るか⁉︎」

「うっざ! ストーカーもいい加減にしてくれる⁉︎」


「…………」


「なに黙ってんだよ!」
「言いたい事があるなら言えば?」


「…………」


「「シカトかよ!」」
「「ムカつく!!」」


——ドンッ!


女たちに突き飛ばされ、あたしはバランスを崩して倒れ込む。


「「……フン!!」」
「「行こ行こ!!」」


女たちはあたしの前から立ち去った。


「…………」


……嫌われてる、か……


その言葉がドンと重くのしかかる。


衣子は違うって言ったけど、さすがにあたしも感じてる……


最近の湧人の冷たい態度……


やっぱり、あたし、湧人に嫌われてるんだ……


「…………」


なんだか下ばかり見て全然顔を上げられない。

授業を受ける気にもなれず、あたしは一人屋上へ行った。
< 252 / 295 >

この作品をシェア

pagetop