SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

『わたしには分かっていましたよ。 いずれあなたが、湧人くんに恋をすると……』


「……え?」


『最初に彼に会った時は驚きました。 何故なら彼は——』


内緒話をするように一樹は心での会話に切り替える。

ひとしきり話し終えると、にこっとあたしに微笑んだ。


「……あ、 うん、 それは……あたしもちょっと思ったけど……でも今は嫌われて、だから……」


『まだ先の課題は残っていますが……今は自分の気持ちを把握する事が大事です』


「……把握?」


『もう分かっているでしょう? 湧人くんの前では他の人にはない特別な感情を抱いてしまうと……』


「……特別……」


『ドキドキしたり苦しくなったり……その人の言葉や態度一つで嬉しくも悲しくもなる……それが恋です。 普段あなたが仲間を思う好きの気持ちよりそれは強く、理性ではとても抑えきれないほどの感情です』


「…………」


『同じ仕草や行動でも、湧人くんは違ったでしょう? ……こう、 気持ちが……』


……違った?


同じ仕草や行動でも他のやつとは違った気持ち……?
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