SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……? 美空さま? これは?」
「居候代の5万の、足りなかった分だ。ペナルティの分の5万はさすがに払えないんだけど……」
「……居候代? ……ペナルティ? ……美空さま、それは何の事ですか?」
「調理担当の言いつけだ。 あの3人の言うこと、絶対守らなきゃいけないから……」
「……っ⁉︎ どういう事ですかっ⁉︎」
「あたし、本当にこれ以上、湧人に嫌われたくないんだ。 だからこのままじゃ良くない。 湧人の為に家を出るって決めたんだ」
「……ですからっ! 待って下さいっ! いろいろ話が噛み合いません! どうか冷静になって下さい!」
「冷静になるのは衣子の方だ。 じゃあ、あたしもう行くから」
「……っ、 待って下さいっ……!」
引き止める衣子を振り払い、あたしは湧人の家から出て行った……