SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「申し訳ありませんっ! 美空さまの担当でありながらわたくしはっ……! 美空さまを彼女たちからお守りする事が出来ませんでしたっ!」


そう言ってメイドは再び涙する。


「……は? どう言う事……?」


話が見えずに聞き返すとメイドは何かを差し出した。


「……なに……」


不審に思いながら差し出されたものを手に受け取る。


……200円……?


「美空さまが置いていったものです。居候代の足りなかった分だそうで……」


「……居候代? 居候代って……?」


「美空さまは調理担当のメイドたちにお金を脅し取られていたのです……! 居候代として5万、払えない時にはペナルティとして更に5万円の金額をっ……!」


「……!」


「……先ほど、そのメイドたちがあっさり白状致しました。 わたくしは気付きもしなかったのです……まさか美空さまがこのような嫌がらせを受けていただなんてっ……!」


「……っ、」


あまりの事に突如視界がクラクラする。

息が止まるような、体の奥からワナワナ震えが起きていた。
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