SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「湧人さまの為に出て行けと……そのような事も迫ったようです」


「……!」


「美空さま自身も、自分がいれば湧人さまを悲しませてしまう、嫌な思いをさせてしまう……なにより、これ以上嫌われたくないのだと頑なにおっしゃって……

申し訳ありませんっ……本当にっ……わたくしが至らないばっかりに……!」


土下座するメイド。

混乱の中、オレはこみ上げる衝動を抑えきれず……


「……っ、」


弾かれたように外へと走り出していた。


……美空っ……!


……美空っ! ……美空っ!!


通学路、近所の公園、公共施設、スーパー、コンビニ、思いつく限りのありとあらゆる場所を探し回る……


「……ハアッ、 ……ハアッ、」


……どうしてこんな事に……


……オレのせいだ……


オレが美空を追い詰めたから……そして、


何も気付いてやれなかったから……!


「……っ、」


……ごめんっ……


……ごめん美空っ……


激しい後悔に襲われる。

オレは無我夢中で美空を探し回った……
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