SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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「美空は今どこにいるの!」


次の日、朝一番でオレは美空のクラスに飛び込んだ。


「……えっ⁉︎」

いつも美空と一緒にいるグリム……世田さんが驚きの声をあげている。


「美空はっ! 今どこにいるのっ!」


「……お、落ち着いて王子っ……私も何がなんだか……さっぱり分からなくて……」


オロオロしながら世田さんは答える。

その様子から本当に分からないのだと察しがついて、オレはますます落ち込んだ。



「……ごめんねぇ? 美空ってばいつも急なんだよね。 突飛っていうか、何をしでかすか分からなくて……

私も昨日聞いてビックリしたの。 家を出たって美空から留守電入ってて……

急いでかけ直したんだけどもう繋がらないし。 本当に何も分からなくて……」


「……そう、」


「でも、このまま王子の前から消えるとか、そんなんじゃないと思うけど……」


「……え、」


「だってもう関わらないって決めたんなら、護衛役の私と佑影も一緒に連れていくはずでしょ? それをしないって事は、またヒョッコリ戻ってくるって事だよ!」


「…………」


励ましているつもりなのか世田さんは明るく言い放つ。

何の確証もない言葉はオレの耳を擦り抜けた。


「……ごめん、 じゃあ……」


「……あ、王子っ……」


オレは俯きながら教室を出る。

次第に増える生徒達をかき分けてそのまま屋上へと足を進めた。
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