SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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「……おい、」


しばらくしてオレは顔を上げた。

ぶっきらぼうな声の主を確認すると、不機嫌な佑影の顔が目に映る。


「いつまでそうしている……終業式はもうとっくに終わったぞ。 帰らないのか」


「……終業式……」


「……ったく、明日から夏休みだっていうのに、何だかえらく落ち込んでるな」


「…………」


「……ハァ〜、」


髪を無造作にかきあげながら、佑影はオレの隣にきた。

フェンスに背をもたれながら遠くの方を眺めている。


「……お前、 さ……」


少しして佑影がオレに切り出した。


「あいつ……美空に会わなかった五年間で、一体どうしたっていうんだ?」


「……は?」


「美空を含めた昔のお前を知る奴らに聞くと、みんながお前をすごいと言う……。 賢くて洞察力に長けていて頭の回転が早いとな。 だがオレは……今のお前がそうだとは到底思えない」


「……⁉︎」
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