SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「昔は確かにすごかったんだろう……あいつが何も言わなくとも心の内を見破り、的確な判断と今がどういう状況かも冷静に分析出来ていたらしいからな。
それがどうした……。 この五年の間にそんなに感覚が鈍ったというのか」
「……っ、」
「……まあ、人は変わるものだがな。 変わらない方がおかしいが、 あいにく美空はそのおかしい方に入っている。 だから今、お前との間に大きな隔たりがあると思うんだが……」
「……?」
「……ハァ。 仕方ねぇから取りあえず誤解を解くヒントをやる。 ……ったく、こんな事、オレが言わなくとも昔のお前だったらとっくに気付いていたと思うがな……」
途中ひとり言のようにつぶやいて佑影は顔を背ける。
「昔々……といっても五年ほど前の話。 過酷な運命を背負う一人の少女がおりました……」
何故か物語調に語りだした……