SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「湧人を見てるとドキドキする。五年前にはなかった気持ち。頭の中はぼーっとするのに胸の中はソワソワして……。この気持ちがなんなのか、ずっと分からないままだった。でも一樹のおかげで、やっとこの気持ちが恋なんだって、気付く事が出来たんだ」


嘘偽りのない、素直な気持ちを打ち明ける……


「あたしは湧人に恋してる。湧人が好き。すごく好き。友達よりも、もっといっぱい好きなんだ」


「……み、く……」


「……でも、」


あたしは視線を地面に落とした。


「だからいやなんだ。あたし、どうしていいか分からなくて……」


「……え、」


「だってあたしが湧人を傷付ける。悲しませる。苦しませる。全部全部あたしのせい。本当は一緒にいたいけど、あたしがいると湧人が……だから——」


——っ⁉︎


また、湧人があたしを抱きしめた。

さっきのような力いっぱいの感じじゃない。

力強くも優しい包み込むような抱き方だ……
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