SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
——ドン!
「今日こそは逃さないぞ」
それからはいつもと同じ状況だった。
豪華な備品が並べられた生徒会室。
壁に手をつき、男は上からあたしを見下ろしている。
「まったく、こんなに手を焼かせる女は初めてだ」
「…………」
「だがもう覚悟するんだな。お前はここから出られない」
「……え?」
「特注の鍵を部屋につけたんだ。オレ以外鍵は開けられないし、誰も部屋には入って来れない」
「……なんで……」
「ふっ、オレが諦めると思ったのか? 彼氏に凄むとでも? ……その逆だ。たとえ彼氏がいたとしてもオレは全く気にしないし、その方がかえって燃え上がる」
「……燃え上がる……?」
「それに、あんな素行の悪そうな彼氏よりオレの方がよっぽどいいと思わないか? オレと付き合えばお前も周りから尊敬の目で見られるんだぞ?」
「……あたし、別に尊敬の目なんか……」
「もっとも、お前に拒否権はない。オレは欲しいと思ったものはどんな事をしても手に入れる。 ……なあに、一度オレと寝てみればお前だってすぐにオレの良さに気付くはずだ……」
そう言うと男はそっとアゴに触れてくる。
ゆっくり顔を近づけてきた。