SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「あの時はみんなが死んだと思ってたって。 ボロボロのあたしを見て、息も心臓も止まってたし、だから……」


「……うん、」


「でも、一樹が気付いてくれたんだ。あたしはまだ死んでないって。 それはもう、火葬するほんとにギリギリの所で……」


「一樹、さんが?」


「テレパスの特殊な何かだって言ってた。瞬時の映像が止まってなんとかかんとかって、よく分からないけど。

それで……あたし、死ぬ一歩手前で自分に力を使ったらしい。

冷凍保存みたいに、自分の時を止めたって……」


「……時を、止めた……?」


「うん、その瞬間の時を止めたらしい。だから息も心臓も止まってて、死んだようになってたんだ……」


「…………」


「それが分かった時は、みんなが良かったって、泣いて喜んだって言ってたけど、でも……

それがまた、すぐに辛くなったって……だから湧人に言えなかったのかも……」


「……どういう、事?」


「だって時が止まってるからずっとケガのままなんだ。 黒木でさえ何も出来なくて、治せなくて、骨折とか血まみれのままで……。

いつ術が解けるのか分からないし、解けないかもしれないし。 それをずっと見守ってるのが辛かったって……

黒木なんてストレスすぎてハゲちゃったんだ」


「……っ、」
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