SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……まったく、 お前またあの男に会いに行くつもりか?」
「そうだけど?」
「いい加減にしろ! お前は誰の女なんだ!」
……もう、
あたしはこのやり取りが分からない。
「誰の女でも関係ない! どうして湧人に会っちゃだめなの⁉︎」
「……っ、彼氏がいるのに他の男に会いに行く奴がいるか!」
「いるよ! だって湧人だから! 湧人は大事な友達なんだ!」
すると、
「やめなよ佑影!」
突如、救いの手が差しのべられた。
見ればグリムが小さなペンライトを佑影の顔にあてている。
「……! お前っ……やめろっ!」
まぶしいものが苦手な佑影は目を細めて遠ざかる。
途端にあたしに絡みついていた影がスウッと力を弱めていった。
「今のうち! 行って! たまにはゆっくり話してきなよ!」
「ありがとうグリム!」
「——あっ、オイッ!」
グリムの手助けにより、あたしは第一の関門を突破した。