SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「「「おお神よ! 我らのインカール!!」」」


廊下を進むと今度は秘密研究の部員たちに囲まれた。


……またか。

部員たちはいつも意味不明な事を言ってくる。


「ねえ、一体何がしたいの?」


「……くっ、口を聞いてくれますかっ!」
「こんな我々のような下々の者にもっ!」


「ずっと、昨日もおとといも話したじゃないか。そんなに毎日追いかけてきて疲れない? 少しは休めば?」


「「……おおおっ!!」」
「「これぞまさしく神対応っ!!」」


……まったく、

この集団から抜け出すには——


————ダダダッ!


全力疾走、これに限る。


「「……あっ!!」」
「「インカールっ!!」」


声を振り切りあたしは走る。


……よし!


楽勝で第二関門は突破出来——


「——あまつかさんっ!」


風紀委員があたしを止めた。


……はあ〜、


第三関門の風紀委員。

こいつはいつも厄介だ。

廊下を走るとほぼ確実にこいつが出てきて捕まってしまう。


「何度言えば分かるの! 廊下を走っちゃ——」


いつも説教が長いから、ここは……


「えっ! わっ! ……うわあ〜!」


前を歩いていた先生にバリアーをぶつけて転がしてみる。


——ゴロゴロゴロ〜……


「……せっ、先生っ! 大丈夫ですかっ⁉︎」


風紀委員が気を取られている隙にあたしは素早く立ち去った。
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