SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
奏太はすっかり大人の男になっていた。
少年の目をしたあの日の奏太はもういない。
どっしり構えた男の強さと責任感を兼ね備えた、たくましい戦士の目をした奏太がいる。
鍛え上げられた体に金の短髪はよく似合っていて、パサついてツヤのなかったあの頃とは違い、ツヤツヤとしたその髪質が今の生活が充実してる事を示していた。
「……それで、どうかしましたか?」
奏太の質問には答えずに、一樹があたしに聞いてくる。
「あ〜、 えっと、」
「湧人くんの事ですか?」
あたしはパッと一樹と目を合わせた。
「彼は本当によく出来た方ですね。 きちんと礼儀が備わっていますし、何より頭の回転が早い」
「うん」
「何か……ありましたか?」
「……う、ん……」
少し気になるその表情。
湧人に再会したと言った時から度々気になるその表情……
本当は知っているのに知らないふりをしているみたいな、一樹はそんな顔を見せてくる。
「……フン!」
何故か奏太が機嫌を損ねて体ごと横を向いてしまった。