SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「オレはだいぶ心も体も成長したつもりだ。 けど、まだまだアニキみてえに割り切れねえっつーか、大人になりきれてねえ部分もたくさんある」
「……うん?」
「だから納得いかねぇんだよ。 何でアニキ、急に……」
「……?」
「なんとなく分かんだ、オレには……だから、オレはてっきりお前とアニキが……」
「……?」
「……分かんねぇ。 分かんねぇからお前に聞くが……」
奏太がゆっくり視線を合わせてくる……
「お前はアニキのこと好きじゃねぇのかよ?」
不機嫌そうにあたしに言った。
……?
「好きだよ。奏太の事もみんな好き」
「だから違えよ! その好きじゃねぇんだって!」
「……え?」
「さっきアニキが言ってたろ! 特別なこう……一緒にいるとドキドキっつーかなんつーか……あ〜っ!」
奏太が喉元をかきむしる。
「言ってるオレが恥ずいだろーがっ!」
フイっとそっぽを向いてしまった。
そこへ一樹がアイスやフルーツが乗ったプレートを持ってやってくる。
「お待たせしました。 ……どうかしましたか?」
「……さあ?」
あたしは首を傾けた。