SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

学校生活は前より大変じゃなくなった。

あんなに厳しかった風紀委員の監視が突然弱くなり、生徒会長もパッタリ姿を見せなくなった。

秘密研究の研究部員も遠くからあたしを見てるだけ……

過ごしやすいといえば過ごしやすいけど、時々、誰かの視線が刺さってくる……


「美空? お昼食べないの?」


グリムが顔を覗き込んだ。


「……あ〜、」


最近、あたしはグリムと佑影と、お昼は学校にあるカフェテリアで済ませる事が多かった。

日替わりビュッフェで豪華なお食事タイムの二人を前に、あたしはさっきから水しか飲んでない。


「おなかすいてないから」


適当に言って視線をそらす。

そこへ、女の子たちの悲鳴とともに湧人がこっちへやってきた。


「ここ、いいかな?」


そう言ってあたしの隣の席につく。
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