SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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その日の学校は、それまでが束の間の休息だったように、ちょっと波乱含みだった。
「天使さんっ! それは何っ!」
久々に風紀委員に捕まるあたし。
今はまだ生徒がまばらの朝早い時間帯。
靴箱を過ぎた長い廊下の真ん中で、あたしは風紀委員に怒られている……
「カラコンなんて明らかな校則違反です! 今すぐそれを外しなさい!」
風紀委員が怒っているのは、あたしが今、紅褐色の瞳だからだ。
考え事をしていたせいで、今日はつい、黒のカラーコンタクトをつけるのを忘れていた。
「まったく、橘王子があんなに私に頼むから多少は抑えて目をつぶってきたけど……これはいくら何でも見過ごせない!」
「……え?」
「いいからそれを取りなさい! この格式ある学校の風紀を乱さないで!」
風紀委員は仁王立ちして、あたしをキッと睨んでいる……
「……取れない」
あたしが言うと更にその目をつり上げた。
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その日の学校は、それまでが束の間の休息だったように、ちょっと波乱含みだった。
「天使さんっ! それは何っ!」
久々に風紀委員に捕まるあたし。
今はまだ生徒がまばらの朝早い時間帯。
靴箱を過ぎた長い廊下の真ん中で、あたしは風紀委員に怒られている……
「カラコンなんて明らかな校則違反です! 今すぐそれを外しなさい!」
風紀委員が怒っているのは、あたしが今、紅褐色の瞳だからだ。
考え事をしていたせいで、今日はつい、黒のカラーコンタクトをつけるのを忘れていた。
「まったく、橘王子があんなに私に頼むから多少は抑えて目をつぶってきたけど……これはいくら何でも見過ごせない!」
「……え?」
「いいからそれを取りなさい! この格式ある学校の風紀を乱さないで!」
風紀委員は仁王立ちして、あたしをキッと睨んでいる……
「……取れない」
あたしが言うと更にその目をつり上げた。